センター試験の物理は二次試験の物理とはまた違った対策をしていないとなかなか点数が取れません。
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この記事ではセンター物理の勉強法について解説していくので、物理を試験で使うという人はぜひ読んで、高得点を取れるように対策していってください。
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センター物理の基本情報
センター試験の物理で高得点を目指すためにも、まずセンター物理の基本的な情報をおさえておきましょう。
センター物理では、力学・電磁気・波動・熱力学・原子という5つの分野から問題が出題されます。大問数は6題で、第1問~第4問が必答問題、第5問・第6問が選択問題になっています。
年度 | 大問 | 出題分野 | 設問数 | マーク数 | 配点 |
2018 | 第1問 | 小問集合 | 5 | 5 | 25 |
第2問 | 電磁気 | 4 | 4 | 20 | |
第3問 | 波動 | 5 | 6 | 20 | |
第4問 | 力学、熱力学 | 5 | 5 | 20 | |
第5問 | 力学 | 3 | 3 | 15 | |
第6問 | 原子物理 | 3 | 3 | 15 | |
2017 | 第1問 | 小問集合 | 5 | 5 | 25 |
第2問 | 電磁気 | 4 | 5 | 20 | |
第3問 | 波動、熱力学 | 5 | 5 | 20 | |
第4問 | 力学 | 5 | 5 | 20 | |
第5問 | 波動 | 3 | 3 | 15 | |
第6問 | 原子物理 | 3 | 3 | 15 | |
2016 | 第1問 | 小問集合 | 5 | 5 | 20 |
第2問 | 電磁気 | 4 | 5 | 25 | |
第3問 | 波動 | 4 | 4 | 20 | |
第4問 | 力学 | 4 | 4 | 20 | |
第5問 | 熱力学 | 3 | 3 | 15 | |
第6問 | 原子物理 | 3 | 3 | 15 | |
2015 | 第1問 | 小問集合 | 5 | 5 | 20 |
第2問 | 電磁気 | 4 | 4 | 20 | |
第3問 | 波動 | 4 | 4 | 20 | |
第4問 | 力学 | 5 | 5 | 25 | |
第5問 | 熱力学 | 3 | 3 | 15 | |
第6問 | 原子物理 | 3 | 3 | 15 |
過去4年間での出題は上の通りです。各分野から満遍なく出題されるんですね。基本的に、第1問~4問の出題分野は変わっていません。
ただ、これから原子物理が必答問題に入ってくる可能性もあります。なので、5つの分野を満遍なく勉強しなければなりません。
センター物理の特徴
ここからは、センター物理がどのような特徴を持っているのかということについて紹介していきます。
全分野から満遍なく出題される
まず、センター物理は全分野から満遍なく出題されます。
多くの大学入試の二次試験においては、力学と電磁気が中心に出題されています。しかし、センター物理では、二次試験のように偏った出題はされずに、全分野から均等に出題されます。
また、各分野の配点も同じになっているので、特定の分野が出やすい・特定の分野が1番配点が高いというようなことはありません。
そのため、ある分野に苦手意識があったりすると高得点を取ることが出来ません。満遍なく勉強をしていくことが必要になってきます。
難易度は基礎的なものが多い
センター物理の難易度はそこまで高くなく、基礎的なものが多いです。
ただ、「基礎的なものが多い=簡単だ」という訳ではなくて、問題の中で問われる知識が基礎的でシンプルということです。
というのも、最初にも書いた通りセンター物理は5つの各分野全てから出題されるので、1つ1つの問題はそこまで深いところまで発展していかないのです。
なので、センター物理で高得点を取るには、基礎的な部分をしっかりと掴めていないといけません。
1問あたりの配点が高い
先ほどの基本情報の表からも分かるように、センター物理は1問あたりの配点が高くなっています。
同じ理科の中でも、化学や生物は1問あたり2~4点となっていますが、物理は大問1が1問4点、それ以降は1問5点となっています。
つまり、8割以上を取りたい場合は4問、9割以上の場合はたったの2問しか落とすことが出来ません。
そのため、高得点を狙っている場合には、1問ずつ慎重に解いていかなければなりません。計算ミスや問題の読み落としなどのケアレスミスは命取りになってしまいます。
また、苦手分野があって、そこの大問をほとんど落としてしまったりするのは、他の科目に比べてもさらに大きなダメージになりかねません。
全ての範囲から満遍なく出題されるセンター物理において、いかに基礎が大事かというのかがここからも分かってもらえるかと思います。
各分野について
ここからは、センター物理で出題される各分野について、その特徴や対策などを紹介していきます。
力学
力学は、センター試験では大問1や大問4で主に出題されます。力学は、物理の中でも最重要分野だと言われていて、物理の他の分野を考えるうえでも基礎の部分に当たります。
なので、この力学の攻略なくしてセンター物理の攻略はないと言えます。
センター物理における力学は、問題の設定や使う公式は単純であるものの、グラフにしたりとわざと分かりにくいような書き方で書かれています。そのため、一見難しく見えるものの、案外簡単に解けるというものがほとんどです。
逆に、図が書けたものの解答が分からなかったという場合は、基礎知識が抜けていることが考えられるのでしっかりと覚え直してください。
解いていく上でのポイントは、とにかく図にすることです。働いている力をしっかりと図示することができたら、もう解けたも同然です。
なので、普段の勉強の際から解答や途中式が合っているのかなどだけでなく、問題文から読み取れる情報をうまく図にすることが出来ているのかどうかに着目するようにしましょう。
センター試験の赤本の解説などには、きれいにまとめられた図が載せられています。そのような図を参考にして、自分でもしっかりと図を書けるになるように練習をしていきましょう。
熱力学
熱力学はセンター物理においては、大問5で出題されることが多く、大問6の原子と選択問題になっていることが多いです。ただ、大学入試の個別試験においては、原子が出題されることが少ないので、この熱力学を解くという人は多いかと思います。
熱力学では、気体の状態方程式や熱力学第一法則のような式を使って問題を解いていきます。使う式はほとんどその2式だけになっているので、暗記項目が少ないです。
代表的な問題としては、グラフから物質の状態がどのように変化していくのかを読み取る問題などがあります。
このような問題は、pV=nRTという気体の状態方程式を変形して、VとTが比例関係にあるなどと判断することから簡単に解くことが出来ます。
つまり、断熱変化などが完全に分かっていなくても、この式を使うことによって解くことが出来ます。なので、先ほどの2つの式はしっかりと覚えておくことが大事です。
波動
センター物理で波動は、大問3で出題されることがほとんどです。
よく出題されるのは以下の内容です。
・光の動きや像
・音の伝わり方や振動
・ドップラー効果
特に、ピストンがついていてガラス管や、音源の振動数を変えて音波の干渉を考える問題は頻出問題です。
水面の伝わり方だったり、ドップラー効果が働いている救急車のサイレンだっとりと日常生活の中でもなじみのある内容なので、比較的イメージは掴みやすい内容かと思います。
ただ、光波の干渉などは中々イメージが掴みにくいかもしれません。
センター物理の波動においては、その現象がイメージできるということがポイントになってくるので、その解き方はもちろんですが、「なぜそうなっているのか?」というような本質の部分をしっかり思考して勉強するようにしましょう。
電磁気
センター物理で、電磁気は大問2で出題されます。その中でも、問題AとBに分かれていて、それぞれで実験が行われていて、各々で問題が2問ずつ出題されるという形です。
内容は、主に電気回路、磁石、電磁石の3つです。これらは中には中学校で習った内容もあり、覚えなければならない公式なども少ないです。ただ、力学と比べて、電場や磁場が働く世界では物体が接していない部分に力が働くことが多く中々イメージしにくいです。
解いていくポイントとしては、以下の事が挙げられます。
✔どの公式を使うのかをしっかりと判断して、当てはめていく
✔計算ミスをしないように気を付ける
最初にも書いた通りセンター物理ではそこまで突っ込んだ内容は出題されないので、計算ミスをしないように慎重に解いていくことが大事です。
また、センター物理では、「この抵抗の値をどんどん上げていくと、流れる電流は大きくなるか小さくなるか?」というような他では見ないような問題がよく出題されます。
これは慣れていないとどのように解けばいいのかわからず、正しく解答できない可能性があります。なので、そのような問題にも慣れておくのと共に、そのような問題の際には、実際に数字を当てはめてみて試してみるとスムーズに解くことが出来ます。
原子
原子は、新課程対応になった2015年のセンター試験から導入されるようになりました。
2次試験などのことも考えて、この原子を選択する人は少数派です。何より、各大学の2次試験の出題傾向を見てみると、原子からの出題はかなり少ないです。
ただ、大問5の熱力学がどうしても苦手だったり、本番の問題が分からなかった場合の為にも原子についても勉強しておくべきです。
センター物理における物理は、基本問題ばかりで、教科書の理解のみで十分に対応できます。
主な内容は、次の3つです。
・物質波の波長
・原子の構造
暗記だけで済むことも多いので、高得点を狙いやすい分野であると言えます。
センター物理の勉強法
ここからは、具体的にセンター物理をどのように勉強していけば良いのかということについて紹介していきます。
教科書を読む
まず、センター物理の勉強をする際には、教科書を読んでいくようにしましょう。
物理では、単に公式を覚えるだけでなく、現象がなぜ起きているのかを理解していくことが点数upには重要になってきます。
その割に、多くの参考書ではそのような、なぜ起きているのかというような基本的な解説は省かれてしまっています。
その点、教科書は物理現象についての基礎的な説明が豊富に載っていて、そこから公式を導出する過程なども掲載されています。
また、参考書には中々載っていない、図や写真が豊富に掲載されていて、視覚的にもイメージしやすくなっています。
そして必ず、3周はするようにしましょう。1周目は時間がかかりますが、2,3周目はそこまで時間はかからないと思います。
3周もすると、実際のセンター試験の問題文を見ても、「なぜその物理現象が起きているのか?」ということが理解できるようになります。
基礎的な問題集を解く
教科書を読み終えたら、基礎的な難易度の問題集に取り組んでいきましょう。
その際に、問題の物理現象がなぜ起こるのかというのは理解できると思うので、実際に公式をどう使っているのかを意識して解いていきましょう。
最後にもおすすめの問題集は紹介しますが、基礎的な問題集で特におすすめなのが『物理のエッセンス』です。
物理のエッセンスは参考書形式でありながらも、各単元に対応して、初学者でも簡単に解けるようなレベルの問題が掲載されています。
「力学・波動」編と「熱・電磁気・原子」編の2冊に分かれていて、2冊合わせて問題数は400題程度なので、1ヶ月で1周、間違えた問題のみを2周目で解き直すようにしましょう。
また、参考書形式で解説されている部分もかなり分かりやすく書かれているので、教科書で少し曖昧だった所は、そこを見てさらなる理解を目指しましょう。
物理のエッセンスの具体的な使い方はこちらの記事で解説しているので、ぜひ合わせてご覧ください。
マーク式実戦問題集と過去問を解く
物理のエッセンスを終えたら、いよいよ過去問演習です。
過去問演習をする目的には以下の2つがあります。
✔基礎的な問題集よりも少しレベルが上がるので、確実にレベルをステップアップする。
特にセンター物理の大問1では、センター試験以外では中々見かけないようなマイナーな実験や現象について出題されることがあります。
また、センター物理は良問が揃っています。そういう意味でも、今回何度も言ってきた”物理の基本的な事項が正確に理解できているか”というのが聞かれます。
つまり、この良問揃いのセンター物理が解けるようになると、2次試験などの大学別の試験にも活きてきます。
この過去問を解いていく際には、1回解いて終わりということにはせず、間違えた問題などはしっかりと身に付けれるように何度も反復して解いていくようにしましょう。
まとめ
センター物理は、全分野から満遍なく問題が出題されます。その上に配点も高いので、苦手な分野を作ってしまうと、高得点は望めなくなります。
そうならない為にも、全分野を満遍なく勉強していきましょう。
また、具体的な物理の勉強法を知りたい方はこちらの記事を参考にしてください!
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