勉強している時に定期的に休憩を取っていますか?
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中には、「休憩なんかする暇があれば単語1つでも覚えてやる」というように休憩なしにひたすら机に向かって勉強している人もいるかもしれません。
もちろんその勉強に対する熱意は素晴らしいです。しかし、それが逆に勉強の効率を下げていて、成績を上げるのを阻止していたら意味がないですよね。
人間の集中力は無限に続くことはありません。なので、受験勉強を上手く進めていく為の、あくまでも”戦略”として休憩をどのように勉強に組み込むかは非常に重要な問題です。
今回は、そんな勉強をしていく中での休憩の重要性や具体的にどのようなタイミングで休憩を取れば良いのかなど、幅広く紹介していきます。
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勉強には休憩が必須
「長時間勉強していたら、全く集中力が無くなって違うことを考えていた。」「最初は集中できていたのに、気づいたらボーっとしていた。」このような経験は誰しもあるのではないでしょうか?
長時間勉強していると、どんどん集中力が落ちていってしまいますよね。具体的に、高校生の集中力はもって50分ほどと言われています。学校の授業時間などもこれと同じですよね。
つまり、50分以上の続けての勉強は集中できていない勉強(勉強しているつもりでも、全く頭には入っていない)と言えます。
その為、集中力が切れるタイミングでしっかりと休憩を取ることが、勉強中の高いパフォーマンスを維持するには必須になってきます。
実際にこのことについて示した実験があるので紹介します。
東京大学の池谷裕二教授は、中学生の英単語テストで、「15分×3(計45分)学習」と「60分学習」のグループに分けて、それぞれの点数を比較しました。
朝日新聞DIGITALより引用
上記はその結果で、それぞれのグループの時間の経過とガンマ波(集中力に影響すると考えられている)の増減を表しているグラフです。上が「15分×3(計45分)学習」、下が「60分学習」のグループです。
このグラフから分かる通り、60分間続けて学習をしたグループは、時間の経過に従ってガンマ波の値が低下していて、特に40分以降には急激に低下しているということが分かります。
対して、休憩を挟みながら15分の学習を3回繰り返したグループでは、それぞれの学習でガンマ波の値は低下していますが、休憩によってそれが大きく回復していることが分かります。
脳波を見る限り、集中力やガンマ波のパワー回復に差異が見られました。休憩を挟むことは集中力の維持に寄与し、より少ない学習時間にも関わらず長期的に見て高い学習効果を発揮する可能性が示唆されます
朝日新聞DIGITALより引用
池谷教授は上記のように述べています。
運動でもずっと動き続けていると、どんどん疲労が溜まっていきますよね。それと同様に、勉強でもこまめな休憩を挟まないと疲労が溜まっていって、集中力が落ちてしまいます。その為、休憩は勉強には欠かせない存在であると言えます。
休憩はどのタイミングで取るのがベストか
先ほどは、勉強においては休憩が欠かせない存在であるということについて解説しました。では、具体的に休憩はどのタイミングで取るのが効果的なのでしょうか?ここでは、そんな休憩のタイミングについて紹介していきます。
短時間の勉強と休憩を繰り返す
勉強と休憩のタイミングを考えるに当たって、おすすめなのが「ポモドーロテクニック」です。
これは、1992年にイタリアの起業家であるFrancesco Cirillo氏が自身の勉強効率を上げるために考案したテクニックの事です。
ポモドーロテクニックの手順は以下の通りです。
⇩
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⇩
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ポモドーロとは分割できない最小単位の事です。このテクニックでは、「25分の作業+5分の休憩」を1ポモドーロとして設定して、4ポモドーロ(2時間)ごとに30分間の休憩を繰り返しています。
このように定期的に休憩を取ることによって、常に高い集中力を維持することが出来るんですね。
このテクニックは、プログラマやデザイナーなどのクリエイティブな職業に就いている人からも高く支持されているそうです。
キリが付いていなくても休憩する
これはポモドーロテクニックを実践するに当たっての注意点になるのですが、たとえキリがついていない状態でも強制的に休憩をしてしまうようにしましょう。
おそらく多くの人は「○○章まで終わったら休憩する」というようにキリがつくところで休憩するタイミングを決めているのではないかと思います。
しかし、このようにキリがつくタイミングで休憩をしてしまうと、どうしてもその達成感から休憩を長く取ってしまったり、休憩後の勉強し始めの効率が悪くなってしまいます。
ツァイガルニック効果
実際、ドイツの心理学者であるクルト・レヴィン氏は、人の記憶について「達成された課題よりも、達成されなかった課題や中断している課題の方が記憶に残りやすい」というように述べています。
この考え方を証明する為に、旧ソビエト連邦の心理学者であったツァイガルニックが実験を行いました。
その結果からも「未完成の課題は、完了した課題についての記憶より想起されやすい」ということを実証されています。この現象は、ツァイガルニック効果と呼ばれています。
ツァイガルニック効果は実社会でも利用されている
先ほども書いたツァイガルニック効果とは、簡単に言うと、キリがついていない中途半端なところで終わってしまうと続きが気になる、ということです。
実はこのツァイガルニック効果は実社会の様々な場面で利用されています。
テレビのクイズ番組を思い浮かべてみて下さい。最後の1人が答えたらそのチームが勝ちという場面で、その最後の1人が回答するボタンを押した時には、必ずCMに入ります。
また、ドラマでも盛り上がった場面で、その回は終わりで「次回に続く」となります。
これらは全てツァイガルニック効果を利用しています。
これを勉強に利用する
先ほども書いた通り、キリがつくタイミングで休憩をしてしまうと、どうしてもその達成感から休憩を長く取ってしまったり、休憩後の勉強し始めの効率が悪くなってしまいます。
そこでツァイガルニック効果を利用して、あえてキリがつかないタイミングで休憩をしてしまいましょう。
そうすることで、なんとなくスッキリとしない気持ちのまま休憩に入ることになり、休憩後の勉強開始が待ち遠しく感じられるようになります。
おすすめの小休憩
ここでは、先ほど紹介したポモドーロテクニックの小休憩では、具体的にどのような事をすれば勉強の質の向上に効果的なのかということについて紹介してしてきます。
具体的に紹介していく前に、小休憩の際には1つだけ注意点があります。
それは小休憩中は、スマホを触らないということです。
というのも、スマホの画面を見ていると、本来休憩中で休めるべき目が全く休まらずに、逆に疲れてしまいます。また、目だけでなく、脳も休めることが出来ません。
これでは、本来の休憩の目的とは逆の影響を与えてしまいますので、小休憩の際にはスマホを使わない休憩法を試すようにしましょう。
音楽を聴く
自分の好きなアーティストの曲やテンションの上がる曲などをじっくり聴くことで、良い気分転換になるでしょう。
また、クラシック音楽などを聴くと脳がリラックスできるので、その後の勉強がより集中できるとも言われています。
1曲だけならおそらく5分かからないくらいで終わるかと思うので、小休憩にはもってこいです。
飲み物休憩
ここで言う飲み物休憩とは、単に机の上に置いている飲み物を飲むというようなものではありません。
例えば、近くにある自動販売機まで飲み物を買いに行ったり、自分で紅茶やコーヒーを入れたりと、自分で1から飲み物を準備しながら休憩するということです。
このように誰かに飲み物を持ってきてもらったり、元から机の上にあったものを飲むのではなく、自分で1から準備することで気分転換になります。
遠くを見る
25分間勉強していると、目のピントを合わせる筋肉が近くのものばかりを見ていることで疲れてしまいます。
中には目が疲れることによって、頭痛を起こしてしまう人もいるそうです。その為、小休憩の際に目の疲れを集中的に取るようにするのはおすすめです。
具体的な方法としては、窓を開けて遠くにある建物などを見るようにしましょう。
その際には漠然と遠くを眺めるのではなくて、何か1つ建物などを決めて1点を見つめるようにするのがポイントです。こうすることによって、これまで近くの同距離ばかりを見ていたのが、遠くの他距離にピントが合うので、目の筋肉がストレッチされます。
このように遠くを見るのは、気分転換にもなりますし、目が疲労するのも防げるので良いですね。
立って伸びをする
勉強中はずっと椅子に座りっぱなしですよね。ずっと同じ体勢でいると案外、腕や腰、肩などに疲労が溜まってきてしまいます。
これがどんどん蓄積されていくと、痛くて勉強に集中できなくなってしまいます。
椅子から立って伸びをすることによって、体の緊張を解きほぐせる上に、先ほどのような体の部分もほぐすことが出来るのでおすすめです。
おすすめの本休憩
ここでは、ポモドーロテクニックの中の本休憩(30分休憩)では、何をするのが効果的なのかということについて紹介していきます。
軽い運動をする
小休憩と比べて長めの本休憩では、軽めの運動をしてみましょう。
散歩やジョギングなどの軽めの運動をすることは、とても効果的で、脳はもちろんのこと気分もリフレッシュ出来て、休憩後の勉強がはかどります。
ただ、あくまでもその後の勉強の質を上げるための運動なので、ダッシュなどの激しすぎるものだと、体が疲れてしまうのでいけません。
仮眠を取る
本休憩の際には、仮眠を取るのも効果的です。
そもそもなぜ眠くなってくるのかと言うと、脳が一時的に疲れていて「休まないと危険」という信号を送ってきているのです。つまり、脳が体を休ませようとする際には、眠気を要します。
その為、仮眠を取ることによって、そのような脳の疲労を軽減させることが出来ます。ただ、もちろん熟睡してしまっては、勉強する時間がなくなるのでいけません。
長時間睡眠してしまうと、起きるのが辛い状態になって、起きたとしても体が怠けて勉強に集中できなくなってしまいます。
このことからも仮眠の時間は、20分程度に抑えておきましょう。また、仮眠をする際には、ベッドに横になってしまうと熟睡してしまう可能性が高くなるので、椅子に座って背もたれにもたれたまま目をつむるようにしましょう。
お風呂に入る
お風呂に入ると眠くなってしまうという人もいるようですが、本来入浴は脳をリラックスするのにとても効果的な行為だと考えられています。
なので、本休憩としてお風呂に入るのはとてもおすすめです。
笑う
バラエティー番組を見たり、友達と笑い話をしたり、何となく笑ってみる等なんでも構わないのですが、笑うという行為は脳にとっては非常に良い刺激となります。
これに関しては、日常生活でも経験があるのではないかと思いますが、疲れていたり悩みがあった時に思い切って笑ってみると案外それらが解消されますよね。
それと同じです。
また、単にクスクスと笑うのではなくて、声を上げて笑う方が効果的だと言われています。ただ、単に笑顔になってみるだけでも効果があるという研究結果もあるそうです。
より高い集中力を維持するには
ここまでで勉強の際に休憩について詳しく解説してきました。休憩を挟むことによって、勉強中の高い集中力を維持できるということについて分かってもらえたかと思います。
しかし、「いくら休憩を挟みながら勉強したって、1日中椅子に座って勉強していたら飽きてくる」というような人もいるのではないでしょうか?
そんな人向けに以下の記事では、今回紹介してきた休憩やポモドーロテクニックなどを含めた、勉強中の集中力を高める方法について詳しくまとめているので、是非合わせてご覧下さい。
まとめ
今回は、勉強をする上での休憩の重要性やおすすめの休憩のタイミングとして、ポモドーロテクニックを紹介してきました。
ポモドーロテクニックは、実際に様々な企業の社長などが取り入れている程、その効果が実感されているテクニックです。
「勉強上手は休憩上手」と称されることもある程、勉強をしていく上で休憩を上手なタイミングかつ方法で取れるかは、受験勉強を進めていく上で重要になってきます。
今回紹介したポモドーロテクニックや、休憩の際に具体的に何をすれば良いのかということを参考にして、より効率的に勉強できるようになる休憩を取り入れていきましょう。
また、以下の記事で、効率的に受験勉強をしていくための方法を紹介しています。受験勉強の進め方や勉強法に困っている方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。
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