皆さんこんにちは、東大BKKです。
今回は「世界史AとBの違いって何?範囲・内容が違うの?」「共通テストは世界史Aで受けてもいいの?」
受験生の皆さんはこんな疑問を抱いたことはありませんか?
この記事を読めば、 世界史AとBの違い に関してはバッチリです!
この記事は2、3分でサクッと読めます。
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世界史AとBの違い
世界史Aと世界史Bの違いは以下の3つです。
- 単位数の違い
- 範囲と内容の違い
- 受験で使える大学の違い
それでは1つ1つ見ていきましょう!
1.単位数の違い
世界史Aと世界史Bは、文部科学省が定めた高校における単位数が違います。世界史Aは2単位であるのに対し、世界史Bは大抵の場合は4単位です。そのため、授業数・学習量も世界史Bの方が必然的に多くなります。
世界史Aは農業高校・商業高校・工業高校などの普通科以外の学校や通信高校で扱われることが多く、普通科の学校では世界史Bを扱うことが多いです。普通科以外の学校は大学受験する生徒が少ないため、生徒への勉強面への負担が少ない世界史Aを選ぶ傾向があります。
対して大学受験を考えている生徒が多い普通科の学校では世界史Aを扱わないことが多いため、普通科に通っているが世界史Aを選択したいという人は独学で学ばなければならないかもしれません。
2.範囲の広さ・内容の違い
世界史Aの方が少ない授業時間で扱う科目のため、範囲が短いです。それに伴って内容も世界史Bと異なります。
世界史Aでは、近現代史を中心とする世界の歴史を学習します。
一方、世界史Bは原始・古代から現代までを通して深く学習します。文化史を扱いが多いことも特徴です。
詳しく見てみると、世界史Aの学習内容は
(1) 諸地域世界と交流圏、(2) 一体化する世界、(3) 現代の世界と日本
であるのに対し、世界史Bの学習内容は
(1) 世界史への扉、(2) 諸地域世界の形成、(3) 諸地域世界の交流と再編、(4) 諸地域世界の結合と変容、(5) 地球世界の結合
です。
世界史Aの方が大雑把ないわば物語的な世界史を扱う傾向があり、近現代史の最低限必要な事項を抑えるカリキュラムになっています。世間一般でも常識として問われることの多く、平和を希求する日本人として絶対必要な戦争に関する歴史の取り扱いが多いです。
一方に世界史Bは非常に範囲が広いため、高校の授業で範囲が最後まで終わらず、第一次世界大戦や第二次世界大戦といった近現代史が疎かになりがちという側面があります。
世界史Aの方が圧倒的に範囲が狭く、内容的にも簡単なため、できることなら世界史Aを学習できると負担感は無くなりますね。
3.入試で使える大学の違い
範囲が少なく、要求される学習量も世界史Aですが、入試において世界史Aを課している大学はほとんどありません。筆者が調査した限りでは世界史Bだけで受験できる大学は存在しませんでした。
センター試験ではほとんどの国立大学が「日本史B、世界史B、地理B、政治・経済、倫理」から1科目または2科目受験することを要求しています。
また、国立大学二次試験(個別試験)・私立大学一般入試で試験科目としている大学はありません!
このように、入試において世界史Aは迫害されているのです。そのため、大学受験を考えている人は世界史Bを選択してください!
受験のために世界史を学ぶつもりはなく、教養のために世界史を学びたいという人は負担の軽い世界史Aを選択しても良いかもしれません。
また、そもそも社会でどの科目を選択するかを決められていないという方は「社会選択は世界史・日本史・地理どれがおすすめ?現役東大生が徹底解説!」を参照してくださいね。
共通テストにおける世界史A
センター試験では世界史A、世界史Bの両方が出題され、自分が受験する大学の指定に従ってどちらかを選んで解くことになります。
意外なことに、センター試験では範囲が少ない世界史Aよりも世界史Bの方が平均点が高いです。下の表をご覧ください。
年 | 世界史A | 世界史B |
2019 | 47.57点 | 65.36点 |
2018 | 39.58点 | 67.97点 |
2017 | 42.83点 | 65.44点 |
2016 | 42.07点 | 67.25点 |
2015 | 47.37点 | 65.64点 |
過去5年のセンター試験の結果を振り返ると、一貫して世界史Bの方が平均点が高くなっています。
これは、受験者の平均的な学力が世界史Bの方が高いため、問題の難易度は世界史Aの方が低いのに平均点は世界史Bの方が高いという逆転現象が起きていると考えられます。
また、世界史Aは受験で使える大学が少ないため、受験者数は世界史Bに比べてかなり少ないです。下の表をご覧ください。
年 | 世界史A | 世界史B |
2019 | 1346人 | 93230人 |
2018 | 1186人 | 92730人 |
2017 | 1329人 | 87564人 |
2016 | 1449人 | 84131人 |
2015 | 1376人 | 84053人 |
この表を見れば、ほとんどの受験生は世界史Bを選択しているということがわかるでしょう。数にして、世界史Bの受験者数は世界史Aの受験者数のおよそ70倍!
基本的にセンター試験を受ける人は世界史Bを選択しているということがわかりましたね。
センター試験における世界史について受験生の皆さんにくれぐれも注意しておいてほしい点が1つあります!間違えて自分の選択していない科目を解いてしまわないようにしてください!
世界史Aと世界史Bは同じ試験時間内に行われ、自分でどちらかを選んで解く形式で実施されます。さらに、世界史Aも世界史Bも同じ冊子に問題が載っているため、間違えて自分が選択していない方の科目を解いてしまうというミスが散見されます。
センター試験本番では、落ち着いて、まずはちゃんと正しい科目を解いているのかを確認するようにしてください!間違えた科目を解いてしまうと、二次試験の受験資格がなくなってしまう可能性があります!
センター試験の世界史で高得点を取る勉強法については「センター世界史で9割・満点取る勉強法を東大生が解説!おすすめ参考書も」を参照してください!
世界史Aの勉強法3選
ほとんどの大学入試で世界史Aは使えませんが、それでも世界史Aを勉強したいという方もいるかもしれません。もしかしたら、自分の志望校が運よく世界史Aを課しているかもしれませんね。世界史Aの勉強法を3つ紹介します!
1.何周もやろう!
世界史Aは範囲が狭いので、何周も取り組んでもそう時間はかからないはずです。
覚えては忘れ、もう一度覚え直すというサイクルが記憶を確実に定着させます。
しっかりと、教科書の範囲を何周も学習し、記憶に定着させましょう。
2.映像資料を利用しよう
世界史Aの深い理解のためには、教科書の学習だけでは十分とは言えません。映像資料を利用して歴史の一場面を頭の中で再生できるようにすることが歴史理解への近道となります。
オススメの映像資料として『映像の世紀』(NHK)をご紹介します。20世紀の世界を舞台に全11回の放送で、世界の歴史を克明に刻んだ作品です。世界史Aの学習範囲と広く対応するため、ぜひ一度見てください!
3.資料集を使おう
映像資料と並んで資料集も歴史理解の手助けになるでしょう。文字を見てるだけでは決して到達できない、感覚的な理解を得られます。
ここでは『ニューステージ世界史便覧』をオススメしますが、学校で使用しているものがあればそちらでも構いません。
世界史Aが使える大学は?
前述したように、世界史Aのみで受験できる大学はありません。しかし、二次試験では世界史Bを要求するもののセンター試験では世界史Aを使える大学がありました。
東京外国語大学です。二次試験では世界史Bの範囲まで出題されますが、センター試験では世界史Aを選択することが可能です。世界史が入試に導入されたのが近年ということもあり、あまり歴史学習を受験生に要求していないのかもしれません。
センター試験では「国語」、「数学」、「外国語」を必修として課され、「地歴」、「公民」、「理科」から2教科2科目を選択するように要求されています。そして、「地歴」の選択肢として「世界史A、世界史B、日本史A、日本史B、地理A、地理B」が提示されています。
よって、「世界史A」と「公民」又は「理科」から1科目で受験できるのです。
しかし、二次試験ではB科目も課されるため、多くの受験生は「世界史A」を選択することはないようです。
世界史Bについて
世界史Bは古代から現代までの世界の歴史が問われるため、非常に多くの学習量が求められます。おそらく、大学入試において最も暗記量が多い科目でしょう。
英語や数学にある程度めどが立って安定した成績を納めるようになった受験生は、世界史Bの対策に重点的に取り組むようにしましょう。
また、昨今は単純な暗記だけではなく、本質的な歴史理解が入試で問われることが多く、受験生は世界史Bに丸暗記では立ち向かえなくなりました。
特に大学界のトップリーダー・東京大学では近年暗記学習だけでは手も足も出ないような、受験生に考えさせる問題が出題されています。東京大学の世界史対策については「東大世界史の対策と参考書を現役生が徹底解説!過去問はいつから?」をご覧ください。
世界史AとBどちらを選べばいい?
ほとんどの大学受験生は世界史Bを選択することになります。
世界史Aと世界史Bでは、受験科目として使える大学に差があります。
大学の選択肢を広げたい場合は、世界史Bを選択してください。
世界史AとBの違い のまとめ
今回は「 世界史AとBの違い 」「センター試験での世界史A」「世界史AとBの学習法」についてお伝えしました。
受験を考えている大学についてはぜひ一度ホームページに赴き、要求科目を自分で調べてください。何か他にも受験生にとって有益な情報が見つかるかもしれませんよ!
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