- 助動詞の意味が理解できてなくて古文が読めない…
- 古文の助動詞の意味が全然見分けられない…
- 簡単に見分けられるコツが知りたい!
今回の記事はこのような悩みを抱えている方に向けて書いていきます。
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古文の助動詞は種類もたくさんある上に、同じ助動詞に様々な意味が含まれていて、それを読み解くのは難しいですよね…。
古文の助動詞の意味を完璧にマスターできている人は非常に少ないです。数ある助動詞の意味をすべて完璧に覚えることは大変です。
それでも、頻出のものから的を絞ってしっかり覚えていけば、段々と意味を見分けられるようになっていき、古文も読めるようになっていきます。
今回の記事では、そんな頻出の助動詞の意味の見分け方を紹介していきます。
ここで紹介するものは、どれも試験でもよく出題される重要な助動詞なので、しっかり見分けられるようになってください。
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助動詞の意味を見分けられないと古文が読めない!
動詞や形容詞、形容動詞などに比べて助動詞は脇役のような立ち位置にあるかもしてませんが、古文において助動詞は非常に重要な文法事項です。
助動詞は、その文の述語の意味を決める大きな役割を担っています。助動詞の意味が掴めないと、その文の意味が掴めないと言っても過言ではありません。
例えば、打消の助動詞の意味がわからなければ、文をまったく逆の意味で捉えてしまい、その文を正しい意味で読み取ることはできません。
助動詞は文自体の意味を決定づけるものなので、まずは古文における助動詞の重要性を理解するようにしてください。
助動詞の意味を見分けるポイント・手順
古文における助動詞の重要性がわかったところで、続いては助動詞の意味を見分けるポイントや手順を紹介していきます。
ここで紹介するポイントは、どの助動詞の意味を見分ける時にも注目するべきことになってきます。
しっかり助動詞の意味を見分けるポイントを押さえていきましょう。
助動詞の意味を見分けるために必要な基本的な手順は2つです。
- 助動詞を見つける
- その助動詞が何形かを判断する
どういうことなのか、ひとつずつ説明していきます。
まずは助動詞を見つけよう
まずは文の中から助動詞を見つけていきましょう。
古文の助動詞の最大の働きは、「動詞」「形容詞」「形容動詞」にある意味を付け加えることです。
(例:ありけり→動詞「あり」+助動詞「けり」→現代語訳「あった」)
なので、助動詞は基本的に動詞・形容詞・形容動詞の後につきます。そのため、動詞・形容詞・形容動詞の後ろを確認して、文の中から助動詞を見つけましょう。
その助動詞が何形かを見極めよう
助動詞を見つけられたら、次にその助動詞が未然形なのか、連用形なのかというように何形かを見極めましょう。
何形かを見極めるコツを簡単にまとめると以下の通りになります。
- 未然形:助動詞の直後に打消の表現がある場合
- 連用形:助動詞の直後に用言(動詞・形容詞・形容動詞)がくる場合
- 終止形:助動詞が文末に置かれた場合
- 連体形:助動詞の直後に体言(名詞)がくる場合
- 已然形:助動詞の後に「〜ば」がつく、もしくは助動詞の前に係り結びの助詞「こそ」がある場合
未然形・連用形・連体形は見極めやすいので、まずはこの3つを候補に挙げて見るようにしましょう。
そしてこの3つに当てはまらなかったら、未然形・終止形・已然形の可能性を探るようにしてください。
重要な助動詞から意味を見分けられるようになっていこう!
いきなりすべての助動詞の意味を一気に覚えていくことは現実的に難しいので、まずは重要な助動詞から的を絞って覚えていきましょう。
重要な助動詞というのは、古文を読む上でこれを知らないと読めないという助動詞や、試験の設問でよく聞かれる助動詞です。
なのでここでは、受験生が特に意味を見分けるのが難しいと感じる「る・らる」と「す・さす・しむ」の意味の見分け方を解説していきます。
「る」「らる」
「る」「らる」には以下の4つの意味があります。
- 受身
- 可能
- 自発
- 尊敬
それぞれの意味の見分け方をひとつずつ見ていきましょう。
受身(〜られる)
「る」「らる」が受身かどうかを判断する場合は、前につく言葉に注目します。
「る」「らる」の前につく言葉が「〜(誰々・何々)に」となっていたら受身の意味になります。
【例】
物に襲はるる心地して、驚き給へれば、火も消えにけり。
<何か恐ろしいものに襲われるような気持ちがして・・・>
前につく言葉が「物に」となっているので、この文の「るる」は受身の意味になります。
可能(〜することができる)
打消の「ず」と一緒に使われる場合は可能の意味になります。
【例】
知らぬ人の中にうち臥して、つゆまどろまれず
<・・・、まったく眠ることができず>
直後に打消の「ず」があるので、この文の「れ」は可能の意味になります。
自発(自然と〜れる・思わず〜てしまう)
一緒に使われる動詞が感情表現の場合は自発の意味になります。
※感情表現の動詞:「泣く」「思ふ」「見る」「知る」「眺む」「しのぶ」など
【例】
今日は都のみぞ思ひやらるる
<自然と思い出される>
「思ふ」という感情表現の動詞と一緒に使われているので、この文の「るる」は自発の意味になります。
尊敬(〜なさる・お〜になる)
主語に注目して、その文の主語が身分の高い人である場合は尊敬の意味になります。
【例】
御門、なほめでたく思し召さるる事せき止めがたし。
<帝は、やはりすばらしくお思いになることを抑えることができない>
主語に「御門」という身分の高い人がきているので、この文の「るる」は尊敬の意味になります。
「す」「さす」「しむ」
「す」「さす」「しむ」には2つの意味があります。
- 使役
- 尊敬
それぞれの意味の見分け方をひとつずつ見ていきましょう。
使役(〜させる)
「給ふ」「おはす」「おはします」などの尊敬語が使われず、単独で「す」「さす」「しむ」が使われた場合、そして直前に「〜(人)に」と人がついた場合は、使役の意味になります。
【例】
妻の嫗に預けて養はす。
<妻である老女に預けて育てさせる>
尊敬を表す言葉が使われておらず、そして直前に「嫗に」と人を表す言葉がついているので、この文の「す」は使役の意味になります。
尊敬(お〜になる)
「給ふ」「おはす」「おはします」などの尊敬語と一緒に使われた場合は、尊敬の意味になります。
そしてこの場合は、尊敬を表す言葉が重なるので、敬意の高い「二重尊敬」と呼ばれる用法になります。
【例】
おほやけも行幸せしめ給ふ。
<天皇もお出かけになる>
「給ふ」という尊敬語と一緒に使われているので、この文の「しめ」は尊敬の意味になります。
「べし」
「べし」には6つの意味があります。
- 推量
- 意志
- 可能
- 当然・義務
- 命令
- 適当・勧誘
意味が6つもあって普通に覚えるのは難しいので、語呂合わせで意味を覚えましょう。
す(推量)い(意志)か(可能)と(当然・義務)め(命令)て(適当・勧誘)
スイカ止めて
そして、この「べし」は厄介なことに、特に見分けるための決まったルールがなく、文脈で意味を判断しないといけません。
主語が「誰」であるかで意味を判断することが多いので、その見分け方をひとつずつ紹介していきます。
推量(〜だろう・〜ようだ)
主語が第三者・三人称や人以外の場合に「推量」の意味になることが多いです。
【例】
この人々の深き志は、この海にも劣らざるべし。
<この海にもきっと劣らないだろう>
主語が「海」で人以外なので、この文の「べし」は推量の意味になります。
意志(〜う・〜よう・〜つもりだ)
主語が自分・一人称の場合に「意志」の意味になることが多いです。
毎度ただ得失なく、この一矢に定むべしと思へ。
<この一本の矢で決めようと思う>
自分のことを言っている文章なので、この文の「べし」は意志の意味になります。
可能(〜できる)
直後に打消の言葉がある場合は「可能」の意味になることが多いです。
竜に乗らずは、渡るべからず。
<竜に乗らなければ、渡ることができない>
直後に打消の「ず」があるので、この文の「べから」は可能の意味になります。
当然・義務(〜はずだ・〜なければならない)
主語が相手・二人称の場合に「当然・義務」の意味になることが多いです。
子となり給ふべき人なめり。
<子となりなさるはずの人であるようだ>
命令(〜せよ・〜なさい)
こちらも主語が相手・二人称の場合に「命令」の意味になることが多いです。
命令の意味は、当然の意味の延長線上にあるので、厳密に区別するのが難しいです。なので、「当然」の意味合いが強くなれば命令の意味になると考えます。
頼朝が首をはねて、わが墓の前に懸くべし。
<頼朝の首をはねて、私の墓の前に供えよ>
適当・勧誘(〜のがよい)
この「適当・勧誘」も当然の意味の延長線上にある意味になります。そのため、こちらは「当然」の意味が弱くなった時に適当・勧誘の意味になると考えます。
家の造りやうは、夏をむねとすべし。
<家の造りは、夏を主とするのがよい>
まとめ
試験でも頻出の重要な助動詞の意味の見分け方を紹介してきました。
今回紹介した「る・らる」「す・さす・しむ」「べし」の見分け方は必ずマスターするようにしてください。
また、以下の記事で古文の助動詞の覚え方と古文の勉強法をまとめています。古文の成績を伸ばしていきたい方は、ぜひ合わせてご覧ください。
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